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関屋記念2。 投稿者:クロフネ 投稿日:2008/08/08(Fri) 18:53 No.359   
このぺ−ジがまたまた私の意に反した方向に行きだしましたので、小休止致します。
関屋記念にオ−ロマイスタ−が出走致しませんので、このレ−スに関しましてはもう一度予想を改めます。

明日(土)の狙い馬として、函館の『みなみ北海道ステ−クス』のコンラッドを推奨致します。

尚、予想に関しましては当方は一切責任を負いません。

関屋記念。 投稿者:クロフネ 投稿日:2008/08/04(Mon) 13:35 No.353   
「通りがかりどの、また予想を頼まれてはくれないか?」
気風の良い男は、先日の通りがかりの男の剣幕にすっかりその態度が変わってしまった。
「気持ちが悪いですよ、いつものように話してください」
通りがかりのの男も何やら居心地の悪い様子。
「いやあ、通りがかりどのにはこれまでずいぶんと乱暴な口の聞き方をしてしまって真に申し訳ない、これからは大人しくするよ」
「今までどおりで良いですよ、そろそろ予想に参りましょか」
慌てて通りがかりの男が競馬の話題に切り替えた。
「そうだな、それでは関屋記念の予想をしてもらおうかな」
あれほど気風良く、そして、威勢の良かった男がまるで見違えるようである。
「オ−ロマイスタ−で大丈夫ですよ」
通りがかりの男はまたしてもスラスラと言った。 


尚、予想に関しましては当方は一切責任を負いません。

Re: 関屋記念。 - クロフネ 2008/08/05(Tue) 14:23 No.354
「相手はどうするんですか?」
気風の良い男は人が変わったかのように言葉使いが丁寧である。
「軸はオ−ロマイスタ−なのですが、相手が今のところ4頭です。ザレマ、トウショウヴォイス、フサイチアウステル、マルカシェンク、この中から3頭に絞りたいと思います、少し待ってくれませんか」
そう言うと通りがかりの男が頭を抱えた。
「これ以上予想を外したくありませんからね」
と、付け加えた言葉は、いつも強気な通りがかりの男としては物足りないものである。
「通りがかりさん、外れても良いですからいつものようにズバリとお願い致します」
気風の良い男も、通りがかりの男の答えに物足りなさを感じない訳にはいかなかった。
やはり妙齢の女性のことであろうか、その心に線の細さを感じさせる通りがかりの男は傷ついている様子である。


Re: 関屋記念。 - クロフネ 2008/08/05(Tue) 21:06 No.355
「答えが出ました、夜になってやっと答えが出ました」
通りがかりの男が嬉しそうに言った。
「通りがかりさん、いつも世話かけちまってすまないねえ」
「い、いえ、とんでもありませんよ」
二人の穏やかな会話が続く。
「マルカシェンクは大型馬ですし、ひと叩きしてからと見ました、答えはこうです」
通りがかりの男がいつもの自信に満ちた表情になった。
「秋を見据えたオ−ロマイスタ−1頭軸の3連単マルチです。相手が連闘をかけるザレマ、勢いに乗るフサイチアウステル、それと2頭使いのトウショウヴォイスの3頭、18点張りです」
流れるようにこれだけ言った通りがかりの男は久し振りに晴れやかな顔をしている。夕方から振り出した雨はやみそうになく、激しく庭木を叩いている。
「通りがかり様……」
妙に鼻にかかった声、また妙齢の女性である。


Re: 関屋記念。 - クロフネ 2008/08/05(Tue) 21:16 No.356
(もう騙されないぞ…)
通りがかりの男がそっぽを向いた。
「通りがかり様……雨がやみそうにありません、今夜はお泊りくださいな」
そう言いながら妙齢の女性が通りがかりの男ににじり寄る。崩した膝の艶かしさに、通りがかりの男は思わず生唾を飲み込んでいた。
雨は益々激しく、どしゃ降りである。


Re: 関屋記念。 - クロフネ 2008/08/06(Wed) 10:00 No.357
「競馬の予想などもういいじゃありませんか……」
妙齢の女性の言うがままに、通りがかりの男が奥の間へと姿を消した。もつれ合うように妙齢の女性の部屋へと入った通りがかりの男……この夜、初めて妙齢の女性と肌を合わせた。

「オ−ロマイスタ−、唯一の3才馬だ!狙い目だ!」
通りがかりのの男、前夜の激しかった雨もあがった”館”の縁側で、予想をするその表情は晴れ晴れとしていた。その訳は言うまでもなく、妙齢の女性と交わした狂るおしいまでの”秘め事”にあることは言うまでもない。
「てえへんなことになりますよ、通りがかりどの」
後ろから水を差すように気風の良い男が言った。
「泣きを見るのは通りがかりどの、あなたですよ」
さらに気風の良い男はつけ加える。


Re: 関屋記念。 - クロフネ 2008/08/07(Thu) 21:10 No.358
「泣きを見るとは…?」
通りがかりの男が不思議そうな顔をした。
「通りがかりさんよお、今にあの女にすべて吸い取られちまうぜ!」
いつの間にか気風の良い男の言葉使いは元に戻っている。
「吸い取る?」
「まだわからねえのか? ひと晩寝ただけでゲッソリしてるじゃねえか」
そんな気風の良い男の声もうわの空である。通りがかりの男は今夜も妙齢の女性と約束を交わしている。
「新潟の直線は長いですからねえ……」
通りがかりの男がポツリと言ったその表情には、生気がなくうつろでさえあった。
「長いと追い込みと先行とどっちがが有利なんだ?」
気風の良い男が、必死に通りがかりの男の気持ちを予想に向けさせる。
「オ−ロマイスタ−は好位につけられますから大丈夫です」
またうつろな表情で通りがかりの男が言った。
「通りがかり様、そろそろ……」
妙齢の女性が現れた。すでに薄絹一枚である。
「知らねえぞ……」
気風の良い男が大きなため息をついた。


小倉記念。 投稿者:クロフネ 投稿日:2008/07/29(Tue) 13:29 No.345   
この競馬予想のぺ−ジを小説風にしてから2ヶ月近くになりますが、最近になって、その方向が私の意に反した展開になってきております。このあたりで方向修正したいと思うのでありますが、もし、毎回読んで頂いておられる方がおられましたら、参考意見をこのHP『鉄心の俺』の飛脚(Eメ−ル)にご連絡くだされば幸いかと思います。

小倉記念はブリトルマルティスから、3連単マルチ、1頭軸、相手3頭で18点張りの予定です。


尚、予想に関しましては当方は一切責任を負いません。

Re: 小倉記念。 - クロフネ 2008/07/31(Thu) 09:20 No.346
小説風予想をもう少し(決着がつくまで)続けることに致します。


「兄様! 言わないで!」
妙齢の女性が珍しく大きな声で叫んだ。
「今さら何を言ってやがんだ!」
気風の良い男が怒鳴った。
兄妹のただならぬ雰囲気に通りがかりの男はオロオロするばかりである。
「通りがかりさんよお! その女は妹なんかじゃねえ、元はオレの女房だ!」
これを聞いた通りがかりの男はあまりの驚きにその場にへたり込んだ。
「それ以上言うとあなたを殺して私も死にます!」
髪を振り乱して妙齢の女性は叫んだ。
「その女はなあ、その女は……」
ここまで言うと気風の良い男が涙声になった。
涙を拭いながらさらに気風の良い男が続ける。



Re: 小倉記念。 - クロフネ 2008/07/31(Thu) 20:55 No.347
「その女はとんでもねえ”あばずれ”だ!」
そう言うとあの威勢の良い気風の良い男の目からは涙が溢れた。


Re: 小倉記念。 - クロフネ 2008/07/31(Thu) 21:10 No.348
(あばずれ!?)
通りがかりの男は、あまりの展開にどうして良いのかわからずただ二人のやり取りを見守るしかなかった。
「おめえ何人男をとりかえりゃあ気が済むんだ!?」
気風の良い男が泣きながら言った。
「ええ、私は”あばずれ女”です! でも、今度は本気なのです!」
妙齢の女性も乱れた髪を気にする様子もなく一気にまくし立てた。

二人の言い争いは落ち着くまでしばらくの時を要した。
「あのう……」
恐る恐る通りがかりの男が口を開いた。
月は西の空に大きく傾いて、間もなく夜が明けようとしていた。




Re: 小倉記念。 - クロフネ 2008/08/01(Fri) 09:50 No.349
あまりの修羅場に嫌気のさした通りがかりの男が、無理やりに話題を変えるかのように言った。
「小倉記念のブリトルマルティスは狙い目ですよ!」
すでに夜は明けて、暑い夏の日差しが”館”の縁側にまで入り込もうとしている。
気風の良い男も気を取り直したかのように言った。
「ブリ、何とかてえのはそんなにつえのか!?」
「前走人気負けした感がありますからね」
通りがかりの男が相変わらず自信たっぷりに言う。
しかし本心は、奥の間に入ってしまった妙齢の女性のことでいっぱいである。クマゼミの鳴き声はいつになく大きかった。


Re: 小倉記念。 - クロフネ 2008/08/01(Fri) 13:41 No.350
「ブリトルマルティスが出て来ないので私はやる気がなくなりました」
力なく通りがかりの男が顔を曇らせる。
「イヤとは言わせねえぞ……予想はしてもらわなくっちゃ」
気風の良い男が予想をせがむ。
「通りがかり様、気晴らしに加茂川あたりでも……」
すっかり落ち着きの取り戻した妙齢の女性が誘った。
「でも、あなたとは…もう…」
通りがかりの男が尻ごみをする。
すっかり正体を暴かれた妙齢の女性、その言葉に、
「私じゃ駄目なの、私を抱いてみなさいよ!」
ポンポンと畳かけるように通りがかりの男にせまった。
「や、やっぱり、予想を致します、ドリ−ムジャ−ニはいかがでしょう?」
通りがかりの男は、予想も女ももうたくさんと言う顔をしている。
「通りがかり様……」
妙齢の女性がしなだれかかってきた。


Re: 小倉記念。 - クロフネ 2008/08/02(Sat) 13:39 No.351
むせかえるような芳香が通りがかりの男の鼻腔をくすぐる。
と、突然その時、しばしその匂いに酔っていたかのような通りがかりの男の口から
「寄らないでください!」
飛び出した言葉、それは激しい口調であった。
初めて聞いた通りがかりの男の怒りの声である。
突き飛ばすように妙齢の女性を傍らへ押しやると、
「小倉記念の答えが出ました、3番のドリ−ムジャ−ニの1頭軸に、相手が1番、10番、14番の3頭の3連単マルチです」
スラスラと通りがかりの男が言ってのけた。
あまりの変わり身に、気風の良い男も妙齢の女性もただただ驚くばかりである。
夕立がくるのであろうか、晴れていた夏空は次第に怪しくなり雲が広がってきた。




1,3,10,14


Re: 小倉記念。 - クロフネ 2008/08/03(Sun) 10:10 No.352
(ドリ−ムジャ−ニ−は格が違う。このメンバ−で57キロ?裸同然だ)
通りがかりの男が呟いた。
気風の良い男も妙齢の女性も押し黙ったままである。
(怒らせりゃあてえへんだ……)
「通りがかりどの」
気風の良い男の言葉使いが変わった。


函館記念。 投稿者:クロフネ 投稿日:2008/07/21(Mon) 10:11 No.335   
「コ−ナ−スト−ンで間違いありません」
通りがかりの男が大きな敷居をまたぐなり自信たっぷりに言った。
「おめえのその自信はいってえどこから出てくるんだ!? それによお、おめえの頭の中はいってえどうなってんだ!?」
この日も暑さのあまり、フンドシ一枚で水浴びをしていた気風の良い男が半ばあきれ返ったように言った。
「兄様……またそんな格好で」
妙齢の女性は恥ずかしそうに横を向いた。




尚、予想に関しましては当方は一切責任を負いません。

Re: 函館記念。 - クロフネ 2008/07/21(Mon) 13:36 No.336
「前走巴賞を勝ったフィ−ルドベアが相手でしょう」
通りがかりの男が余裕たっぷりにそう言った。
「それじゃあ3番手はどうすんでい!?」
気風の良い男の頭には3連単しかなかった。
「まだ懲りてないんですか、3連単なんてそう簡単に当たるものじゃありませんよ」
通りがかりの男は、まるで気風の良い男を諭すように言った。
その顔はには珍しく笑みさえ浮かんでいる。
「なな、何がオカシイんでい!?」
「じゃあ、こうしましょう」
また少し笑いながら通りがかりの男が言う。
「どうすんでい!?」
「ひと晩考えさせてくれませんか、正解を持ってきますよ」
気風の良い男の問いに、いとも簡単に通りがかりの男が答えた。
「正解を持ってくるだと!? てめえの予想は当たった試しがねえじゃねえか!」
気風の良い男は相変わらずの荒っぽい口調である。しかしよほど機嫌が良いのであろうか、妙齢の女性に何やら指図をしたその顔は笑っている。


Re: 函館記念。 - クロフネ 2008/07/22(Tue) 21:21 No.337
「おひとつお召し上がれなされませ……」
しばらくして妙齢の女性が美味しいそうなスイカを持って現れた。
「通りがかりさんよお! まあ、スイカでも食いなよ!」
気風の良い男はすでにかぶりついている。”館”には大きな井戸がある。その井戸で冷やしたのであろう、通りがかりの男はかぶりつくなり声をあげた。
「わかりました! 3連単の答えが!」
普段寡黙な通りがかりの男にすれば、その声は驚くほど大きかった。



Re: 函館記念。 - クロフネ 2008/07/23(Wed) 08:43 No.338
「ミストラルクル−ズです!」
通りがかりの男がスイカを食べる手を休めると、何かふっ切れたような晴れ晴れとした顔でニッコリと微笑んだ。
「なな、何んだと!? コロコロころころ変えやがって! 今度はミストラルクル−ズだと!?」
気風の良い男は思いもしなかった名前にびっくり仰天、
「で、後はどうすんでい!?」
「後は巴賞組みですよ!」
そう言いいながら通りがかりの男は余裕の顔でスイカを口にしている。うだるような暑さの中、セミの声を聞きながら食べるスイカは格別にうまかった。
「通りがかり様……」
妙齢の女性が言った。


Re: 函館記念。 - クロフネ 2008/07/24(Thu) 09:24 No.339
「9月になると通りがかり様とはお別れしなければなりません……」
妙齢の女性の思いもかけなかった言葉に、一瞬、通りがかりの男の頭の中が真っ白になった。
「ど、ど、どうしてなんですか!?」
通りがかりの男はこれだけ言うのが精一杯である。
妙齢の女性が続けた、小声である。
「だから……」
恥ずかしそうに少し顔が赤らんだ。
通りがかりの男にはその言葉が理解できなかった、と、言うよりあらぬ方に理解していたのである。
(そうか、予想を当てないともう会わないと言う意味なのか)
女心を全く理解できな通りがかりの男は必死になって考えた。
(マヤノライジン、マンハッタンスカイも怖いぞ)
あれこれ推理しながら再びスイカをほおばった。


Re: 函館記念。 - クロフネ 2008/07/25(Fri) 09:04 No.340
妙齢の女性が淋しそうに下を向いた。
そうである。
「抱いてください……」
とは死んでも女の口からは言えない。
女心にうといのか、依然として通りがかりの男は予想に夢中である。
(4頭に絞って3連単ボックスの24点張りでいこう)
通りがかりの男が苦しみから解放されたように顔をあげた。苦心惨憺、やっと見つけた函館記念の答えである。
「通りがかりさんよ! 蝦夷地の競馬もいいけどよお! おめえは女心ってものが全くわかっちゃいねえな! だから予想も当たらねえんだぜ!」
気風の良い男がイライラしながら通りがかりの男に言った。
「はぁ? 私には何んのことだか?」
通りがかりの男はけげんそうな顔で尋ねた。
妙齢の女性はうっすらと涙を浮かべて奥の間へと下がってしまった。クマゼミが鳴くのをやめてしまうこの夏一番と思える暑さが”館”包み込む。



Re: 函館記念。 - クロフネ 2008/07/26(Sat) 10:08 No.341
「思い切ってコ−ナ−スト−ンにかけてみましょうか?」
通りがかりの男が気風の良い男に相槌を求めるように言った。
いつも自信たっぷりの通りがかりの男ににしては以外な言葉である。
「何だか自信がなさそうじゃねえか……」
気風の良い男も意外だと言う顔をしている。
「いや、そうじゃないんです、どの組み合わせでも高配当になりますから」
通りがかりの男は今度は自信たっぷりに言った。
「じゃ、答えはどうなんでい!?」
相変わらず口調は荒っぽい気風の良い男である。
「コ−ナ−スト−ンの3連単マルチ、相手は2、6、11です」
通りがかかりの男、今度は口元に笑みさえ浮かんでいる。
「なな、何んだよお、その3連単マルチってえのは!?」
初めて聞く馬券の名前に気風の良い男が不思議そうに尋ねた。
「私にもよくわかりません、でもコ−ナ−スト−ンが3着以内、そして2、6、11の中の2頭が3着以内に絡んでいれば正解だと思います」
どうやら通りがかりの男も初めての馬券らしい。
「通りがかり様……今夜、裏木戸を開けておきます」
妙齢の女性が恥ずかしそうに、しかし、意を決したように小さく声をかけた。







Re: 函館記念。 - クロフネ 2008/07/26(Sat) 14:08 No.342
(裏木戸を開けておく……? あまりにも私の予想が当たらないからもう表からは入るなって言うことか?)
通りがかりの男は、この時点でもまだ女心を理解できないでいた。やはり”うぶ”なのであろうか、さらに熱心に予想に力を入れていた。

午後9時、夜の”とばり”の降りた”館”は静かである。通りがかりの男が現れた。やはり妙齢の女性が言ったように裏木戸は簡単に開いた。
(3連単のマルチ、12番のコ−ナ−スト−ン1頭軸で、相手が2、6、11の3頭だ、組み合わせは確か、18通りだ、すべて高配だ)
裏木戸から入った通りがかりの男は、植え込みをとおして奥の部屋からもれてくる、薄ぼんやりとした灯りに胸の高鳴りを抑えることができない。
(この部屋だろうか?)
通りがかりの男がそれらしき奥の部屋に近づいた。


Re: 函館記念。 - クロフネ 2008/07/27(Sun) 08:40 No.343
「夜這いとは洒落てるじゃねえか!」
突然、真後ろから野太い声がした。気風の良い男である。
「ああ……その……」
あまりの驚きに通りがかりの男はうまく喋れない。
「夜這いもいいけどよお! 予想の方、しっかり頼むぜ!」
気風の良い男は、通りがかりの男の繊細な気持ちなどどこ吹く風と、函館記念の予想を要求する。
「あっ、それは……今日、昼間お話したとおり3連単マルチ、1頭軸の相手3頭の18点張りで正解です」
すでに通りがかりの男の胸の高鳴りは失望に変わっていた。

「あっ、兄様……」
妙齢の女性が襖を開けた。



Re: 函館記念。 - クロフネ 2008/07/27(Sun) 13:47 No.344
「ブレ−ブハ−トを追加です」
通りがかりの男は競馬の予想どころではなかった。
気もそぞろと言う風情である。それでも必死に通りがかりの男は続ける。
「前走ココナッツパンチに勝っていますからね」
「それじゃあ答えはどうなるんでい!?」
気風の良い男が攻め立てる。
「馬連1−12と、ワイド1−12。これ以上はあなたが考えてください」
少し投げやり気味になった通りがかりの男が、妙齢の女性を気にしながら気風の良い男を振り切った。
「通りがかりさんよお、妹の部屋へ入る前に話しておきたいことがあるんだ」
気風の良い男が後ろから野太い声をかけた。
「兄様! 言わないで!」
妙齢の女性が珍しく大きな声で叫んだ。




アイビスサマ−ダッシュ。 投稿者:クロフネ 投稿日:2008/07/15(Tue) 09:43 No.331   
「エイムアットビップからアポロドルチェへの馬単と、ワイド、これで正解です」
通りがかりの男の頭の中は、すでに妙齢の女性との今夜の祇園祭の宵山(よいやま)見物のことでいっぱいであった。
「てめえ! 何か他のこと考えてやしねえか!? やけに気のない答え方じゃねえか!」
「べ、べ、別にそんなことはありませんよ」
気風の良い男の突っ込みに、通りがかりの男は”しどろもどろ”に答えた。
「どうせ、妹のこと考えてやがんだろ!? でもよお! 予想が当たりゃあそんなこたあどっちだっていいんだぜ、通りがかりさんよお!」
気風の良い男が相変わらず歯切れの良い”べらんめえ調”でポンポンとまくし立てる。
「通りがかり様、そろそろ参りましょうか……」
妙齢の女性が朝顔の模様の清楚なゆかた姿で現れた。
その手には通りがかりの男がプレゼントした物であろうか、可愛い小物入れが提げられている。



尚、予想に関しましては当方は一切責任を負いません。

Re: アイビスサマ−ダッシ... - クロフネ 2008/07/17(Thu) 10:38 No.332
「どうでえ! 握ったんだろ!?」
顔を合わすなり気風の良い男が通りがかりの男の顔を覗き込んだ。
「な、何んのことでしょうか?」
「しらばっくれるんじゃねえや! 妹の手を握ったのかって聞いてるんだよお!」
「そ、そ、そんなことしていませんよ!」
通りがかりの男は真っ赤になった。
祇園祭りでの妙齢の女性との”いきさつ”をニヤニヤしながら気風の良い男が突っ込んでくる。
「兄様……」
奥の方から恥ずかしそうに妙齢の女性が少し顔をのぞかせた。
「予想だ! 予想だ!」
気風の良い男は、チラッとその方に目をやると思い出したように競馬の方に話題を切り替えた。
「馬単じゃ満足できねえんだ、それにワイドだと!? ジジイみたいなことを言うんじゃねえや! 3連単の予想をしろ
い!」
相変わらず気風の良い男の口調は乱暴である。しかしその顔は笑っている。
通りがかりの男が返答に困っている様子である。少しの間をおいて口を開いた。
「頭はエイムアットビップ、2、3番手にアポロドルチェともう1頭、少し待ってくれませんか」
そう言いながら通りがかりの男が扇子を取り出した。
そうである。小物入れのお返しに妙齢の女性が買ってくれたものである。通りがかりの男がいとおしそうにその扇子に顔を近づけた。奥の方から妙齢の女性がこの様子をじっと見ている。その化粧はいつもより濃い目であった。





Re: アイビスサマ−ダッシ... - クロフネ 2008/07/19(Sat) 16:45 No.333
「エイムアットビップの7を頭に2着に1番のアポロドルチェ、3着が5番のシンボリグランです、すなわち3連単7−1−5、これと押さえが3連複1−3−5、これで正解です!」
ひと晩考えた通りがかりの男が、いつものようにスラスラと答えた。
「通りがかりさんよお! てえそうな自信じゃねえか! でもよお、”こちとら”当たりそうもねえ予想を自信たっぷりに言うおめえさんが気にいってるんだぜ、予想をありがとよ!」
よほど気分が良かったのであろうか、気風の良い男が初めて通りがかりの男を褒め上げた。
妙齢の女性はそんな光景を頼もしそうに見ている。
庭にはクチナシの花に代わって、今度はムクゲの鮮やかな花が
つつましく咲いていた。


Re: アイビスサマ−ダッシ... - クロフネ 2008/07/20(Sun) 09:25 No.334
「あの〜、申し訳ありませんが追加です」
通りがかりの男は恐る恐る言った。
「なな、何!? 追加だと!?」
気風の良い男は相変わらず気が短い、口から泡を飛ばしながら通りがかりの男を睨みつける。
「そ、そ、そんなにお怒りにならなくても……」
と、今にも泣き出しそうな顔の通りがかりの男に、今度は妙齢の女性が助け舟を出す。
「兄様、もう少し穏やかにお話しなさいませ!」
妙齢の女性は珍しく口調を荒げた。
「わ、わ、わかった、すまねえ、つい興奮しちまった」
気風の良い男は妙齢の女性、すなわち妹には頭が上がらないのであろうか、素直に謝った。
「いいですよ、私は気にしていませんから、つまりこうです、17番のマルブツイ−スタ−を追加したいんです」
通りがかりの男の言葉に、
「じゃあ、買い目はどうなんでい!?」
「3連単7−1−5、押さえが昨日間違えました、申し訳ありませんでした。押さえは3連複1−5−7、1−5−17、1−7−17、5−7−17の4点、これで正解です!」
またまた通りがかりの男がスラスラと言った。


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